よくできた小型スピーカーをつかって SACD を再生すると、音像定位と音響空間がみごとに再現でき、雰囲気のあるゆたかな音楽を表現することができます。
「ECM SACD 試聴 &トークイベント」(タワーレコード渋谷店)に参加しました。
使用機材はつぎのとおりでした。
- SACD/CD プレーヤー TAD-D1000MK2-K
- パワーアンプ TAD-M2500MK2-K
- スピーカー TAD-ME1-K
- スピーカースタンド TAD-ST3-K
SACD プレーヤーを、デジタルメディアのコントロールセンターとして、プリアンプは使用せず、<プレーヤー+パワーアンプ+スピーカー>というミニマムな構成で TAD の世界がたのしめました。
試聴ディスクはつぎのとおりでした。CD 層 と SACD 層の比較試聴をしました。
- キース=ジャレット『ザ・ ケルン・コンサート』
- チック=コリア『リターン・トゥ・フォーエヴ ァー』
- パット=メセニー『ブライト・サイズ・ライフ』
TAD-D1000MK2-K は、CD 層の再生にあたり、アップサンプリングをして高音質化をしていました。それでも SACD 再生の方が音質・音色はよかったです。音がつややかかでうるおいがあり、やわらかいのに芯があります。アナログレコードを高級システムできいているような感じです。SACD のすばらしさを再認識しました。CD 再生は、シャープネスをあげたような感じでやや硬質な音でした。
TAD のスピーカー ME1 は、音像定位、音場のひろがりがすばらしいです。スピーカーの存在を意識させません。たとえばシンバルは、バチでたたいたその一点から周囲に音がひろがり、音響空間をみごとにひきしめます。これが、大型スピーカーだと音が定位せず、巨大な楽器が目の前に存在するようなへんなイメージになってしまいます。ボーカルだと巨大な口が目の前にイメージされてしまいます。まったく不自然です。
巨大なホールなどでつかうには大型スピーカーがいいかもしれませんが、一般的な日本の住宅、リスニングルームでは 小型スピーカーの方がいいとおもいます。
再生されたディスクでは、キース=ジャレット『ザ・ ケルン・コンサート』 がとくに印象にのこりました。まるで会場にいるかのような雰囲気にひたれました。SACD は、音質・音色がいいだけでなく、会場の雰囲気まで再現できます。