よくできたスピーカーをつかって適切にセッティングすれば、音像定位とゆたかな音場がたのしめます。オーディオに表現力をもとめた方が音楽がたのしめます。
先日、あるオーディオマニアがつぎのようにのべていました。
音を聞いているのであって、音像定位や音場を聞いているのではありません。
この人は実際に体験したことがないので、音像定位(空間表現)や音場のひろがりのすばらしさがわからない、というよりも知らないのだとおもいます。
よくできたスピーカーをつかって適切にセッティングされたオーディオできけばすぐにわかることです。オーディオのイベントに行って体験してみるのもよいでしょう。
たとえば交響曲では、左側にバイオリン、右側にビオラとチェロ・コントラバスの音がひろがります。2本のスピーカーのラインより後方、中央の一番奥からティンパニーがきこえてきます。そしてホルンの音が背後から全体をつつみこみます。楽器の構造上ホルンは、舞台後方の壁に音を反射させるのでこのようにきこえます。
左右にひろがるだけでなく、前後にも音響空間がひろがるのがここちよいです。ちいさい音と、とおくからきこえる音とのちがいもわかります。
スピーカーから音がでているという感覚ではありません。スピーカーの存在を意識しなくなります。
音場の響きによって音色もかわります。ゆたかな音場のなかでは高音につややうるおいがでます。このことはライブでもいえることですがオーディオでもおなじです。
つまるところ、音をきくのかあるいは音楽をきくのかという問題になってきます。高音質をもとめるのかそれとも表現力をもとめるのか。音楽をきくのであれば表現力をもとめた方がよいです。表現力をもとめた方が音楽が本当にたのしめます。