演奏家が発する直接音だけでなく、音響の空間にもっと心をくばるようにするとよいでしょう。

NHK交響楽団は、日本のトップレベルの交響楽団であることはいうまでもありません。

わたしもときどきNHKホールにききにいきます。しかしNHKホールの音響はどうでしょうか? 響かないだけでなく、何だか、段ボールをたたいたようなボコッとしたにごりのある残響があります。演奏家のレベルが高いだけに残念でなりません。

この点ではサントリーホールはすぐれています。やはり音楽専用ホールはちがいます。誰の耳にもあきらかです。

すなわち音楽とは、楽器から発せられる音だけでなりたつのではなく、ホールの響きも重要です。楽器からの直接音とホールの響きとが共鳴してゆたかな音響空間が成立するのです。直接音だけでなく空間の響きもあって音楽になるのです。音楽とは、音楽家とホールとの「合作」であり、音と空間がつくりだす世界です。

NHK交響楽団の経営者はこの空間の方には心をくばっていないようです。あるいは気がついていないのです。

わたしたちオーディオファンも、オーディオかライブかにかかわらず空間にももっと心をくばるようにし、その共鳴空間を感じとった方がよいでしょう。そうすれば、あらたな世界がひろがってくるにちがいありません。